戦略がすべて (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社 (2015年12月16日発売)
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感想 : 206
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2015年に出版された本書を今読み返しても古く感じない。
我々というか自分が進歩していないことに愕然としてしまう。
果たして今回本書を読んでみて、自分の行動はどう変わるだろうか。
「勝てる土俵を作り出す」」これは個人でも言えることだろう。
そもそも戦う場所をどこに定めるかは非常に重要だ。
相手にとって有利な場所で1対1のガチンコ勝負をしても勝てる訳がない。
いかに自分にとって有利な場所を構築するか。
そこで有利に戦うか。
力を入れる所ってそこじゃないのか?それこそが戦略である。
確かに正しい。
会社の中だって同じことだ。
競争だと思えば、自分の働きやすい環境を自分で作ればいいだけだ。
案外とこの努力を疎かにしているかもしれない。
勝つためには大事なことだと思う。
「二束三文の人材にならない」これも本当にドキっとした言葉だ。
これは人格としての精神的価値の話ではない。
あくまでもスキルに対しての市場価格の話。
「そのスキル持っていても意味ないよ」という部分は早めに見極めないと、自分自身が本当に不幸になってしまう。
昔はそれでも寿命が短かったし、社会の変化も遅かったから、多少は何とかなった。
PCが使えないオジサンも、会社で新聞読んで過ごせていけた。
だけどこれからはそんなことは許されないし、そんなオジサンに居場所はない。
どんなに昔活躍しようが、資格を持とうが、今それに市場的な価値がなければ意味がないのだ。
そうならないためにどうするか。
ひたすら学ぶしかないのである。
過去に固執せず、尻軽に次の場所に移動するのも大事だ。
ここを意識していかなければ。
「戦術の失敗は戦略で補うことが可能。ただし戦略の失敗は戦術では補えない」
これもその通り。しかし日本社会は往々にしてこれらが蔓延っている。
だからこそ、きちんと戦略を立てられさえすれば、容易に勝つことが出来るのではないだろうか。
現場の頑張りは当たり前だが、それだけで勝てる訳がない。
イチ現場の勝利だけで、全体がひっくり返ることはないのだ。
それだけ社会が複雑化しているとも言えるだろう。
複雑な中でも、全体を正しくとらえ、戦い方を考える。
それこそ「戦略」だ。
個人の生き方だって同じことだ。
これから社会はどうなっていく。その時に俺は?
常に一歩引いて考えて戦略を立てなければいけない。
生き残りたければそうしろという話だ。
(2021/6/22)

「人による」というよりも、「年代によって感じ方が違う」と最近思います。
ちょうど今現在が、世の中の変化の真っ最中。
その状況をどこまでの人が感じているのか?
30歳以前の若い人は過去を知らないし、変化している真っ只中にいるから、今の状況に違和感を感じていない。
50歳以上の人は、今起こっている変化に全くついて行ってない人がほとんど。
つまり「変化していることすら感じてない人」なので、同じくその状況に違和感を感じていない。
「戦略がすべて」のはずなのに、その戦略は30歳~50歳までの人で作成することが一番いいのだろう。
そこまでの意識を持っている人がどれだけいるのか?
50歳以上の人は、30歳~50歳までの人に権限を委譲できるのか?
30歳以前の若い人は、これからを生き抜くスキルを身につけていくことが出来るのか?
色々な課題を端的に解説してくれる読みやすい本でした。
全部が正しい訳ではないと思うが、一つの回答が示されている気はする。
(2016/2/24)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年11月1日
読了日 : 2021年6月22日
本棚登録日 : 2020年11月1日

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