AIとBIはいかに人間を変えるのか (NewsPicks Book)

著者 :
  • 幻冬舎 (2018年2月27日発売)
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本棚登録 : 109
感想 : 17
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意外や意外!「あとがき」に実は最も深い事が書かれている。
最初に「あとがき」を読んでも、おそらく「腹落ち」しないだろう。
この本は、例え知っている知識があったとしても、読み飛ばしなく、前から順番に読み進める事をおススメする。
つまりステップを踏んで理解を深めないと、実は最後が深く心に刺さらない。
昨今のAIブームで、AI(=人工知能)に関する情報は比較的増えている。
さらに、BI(=ベーシックインカム)についても各所で議論されている。
日本で導入可能かどうかは分からないが、これから未来に向けての「貨幣制度の転換」も見据えると、実は真剣に議論すべき話なのである。
特にこの「AI」が「BI」を引き起こすという関連付けが新しい。
それぞれ単体で話をするよりも、結果同じ内容なのだから、一緒に議論しましょうよ、という提案なのだ。(それが「あとがき」に集約されていくのが、書籍の作りとして秀逸なのだ)
今この時代に、このを読むことは、非常に意味がある。
産業革命によって、人々の生活(というか、人間そのもの)が大きく変化した。
そして、今、まさに、産業革命以来の、人間そのものの大変革期だ。
民主主義、資本主義、貨幣経済が、全部すっ飛んでしまいかねない未来。
今までは「利益を上げて、お金儲けをすれば幸せ」だった。
「働く」ことで、豊かになり、ほとんどの人が「幸せ」になれた。
その「幸せ」の定義が大きく揺らいでしまう。
だって、AIが超効率的に生産性を上げて、人間が働く必要のない世界が訪れるのだから。
「働かざる者、食うべからず」が成り立たない時代に突入していく。
有史以来初めての「働かざる者、食ってよし」の時代。
そんな未来に我々は「何を目標に」生きていけばよいのか?
「あとがき」が遠慮がちに、しかし本質を哲学的に語るのが面白い。
是非読んでほしい一冊!
(2018/04/29)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年8月12日
読了日 : 2018年4月29日
本棚登録日 : 2020年8月12日

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