★個人と民族と国家をまたぐのがまさにスポーツ★以前から疑問だったのは、資本主義の日本で育った選手が北朝鮮代表に入って、チームメイトとどのように交流するのかだった。本書はこの点にはあまり触れていないが、個人の責任とは全く異なる理由で苦境に置かれた選手たちとそれを支えた市政の熱い環境(Tリーグ)、そして離散者とマイノリティーのW杯であるCONIFAのルポは予想を超えたところで興味深かった。特にCONIFAは、参加チームを尊重するがナショナリズムの発揚は拒むところにスポーツの素晴らしさがある。
サッカーを通して民族と国家の狭間を描けるのは、著者ならではの分野だ。
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ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2017年4月26日
- 本棚登録日 : 2017年4月26日
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