★キャラ立ち★「世紀の空売り」から逆戻りして読む。読んだつもりだったが初めてだった。かなりテクニカルな内容なのに、多様なキャラクターとエピソードを縦横無尽に織り込み読ませるのがすごい。最初からこの完成度というのがマイケル・ルイスは信じられない。セールスマンとして優秀だったからこそ、成り立つ本だし、自分を客観視し投資銀行を批判するだけではないのが読ませる土壌なのだろう。
それにしてもこの雰囲気のなかで暮らせる神経は本当に特殊だ。稼ぎ以外に評価の対象がないから、稼いだ人はすべてが許されるという特殊な価値観が生まれるのか。
著者が1985年入社なので、松本大などはこの2年後、つまりソロモンが傾きかけた同時代に入社したと思うと、より現実味を感じる。文中でも日本人の研修生の異色さに触れており、大金を稼ぐために配属先を心配する米国人とは異なり、東京の椅子が決まっている安楽さがあるのが時代史としても興味深い。
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カテゴリ:
経済・ビジネス・政治
- 感想投稿日 : 2018年11月24日
- 本棚登録日 : 2018年11月10日
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