イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか (新潮新書 536)

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  • 新潮社 (2013年9月14日発売)
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感想 : 27
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FBでフォローしている宮田さんの投稿は写真が楽しい。文脈にあまり関係ない美女写真もついて来る。イスラム本はもう一冊並行して読んでたがさくっと先にこちらを読み終えた。本人も認めるようにかなりイスラムよりだ。

イスラム、特に中東諸国の日本びいきの感情には歴史的なヨーロッパの介入にある様だ。例えば日露戦争に勝ったこと、敗戦後経済的な復活を遂げたことなど。文化面では「男はつらいよ」や「おしん」も人気が高い。アニメではキャプテン翼は主人公がアラブ人になりキャプテン・マジドになっている。

普通の日本の行動習慣、例えば謙虚さ、清潔さなどなどはイスラムの行動規範にかなっているので日本人は改宗すれば良いイスラムになれるという人もいる。1日5回のお祈りだったり、断食だったりはイスラムの一面では有るが似たような所を探す方が相互理解につながるだろう。

自衛隊のイラク派遣についてはイスラムからの評価は別れているようだ。しかし、現地サマーワでは自衛隊撤退の噂に対して140人が帰らないでデモを実施するなど概ね好評だった。もう一国評価が高かったのがドイツでなんとなく工業製品に対するブランド価値と一致している。しかし、もし戦闘が起こっていたら同じ評価が得られたかを考えると難しいところだ。

例えばアフガニスタンではタリバン政権時の方が治安が良く、カルザイ派の腐敗を指摘する人はODAも無駄になっているという。一方で隣国イランはカルザイ派を支持するなど一筋縄ではいかない。ともかく金の使い道の監査は必要だろう。アメリカのイラン禁輸措置についても宮田氏は日本は独自路線を取るべきとの立場だ。せっかく好かれてるのならアメリカに追従しつつもイスラムとのパイプを残す工夫がいるのだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国際
感想投稿日 : 2013年10月4日
読了日 : 2013年10月4日
本棚登録日 : 2013年10月4日

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