明治、大正、昭和という3つの時代は激動の時代であった。いま以上に激動であった。
明治維新で江戸から明治に変わり、文明開化で西洋の科学を取り入れ、日清戦争・日露戦争を経験し、日本全体がどんどん変わっていった。変わらざるを得なかった。
そんな中、世界と戦う日本人の科学者がいた。
日本は遅れている。しかし、海外の文献を読み、海外に渡り、世界トップの知を吸収し、日本に持って帰る。
新興国の持つハングリー精神で、世界に誇る実績を打ち立てた科学者が少なからずいた。
ある人は小学校を2年で中退し、独学で金字塔を打ち立てた。またある人はマスコミに翻弄され、最期は不遇であった。数々の賞を総舐めにしながら、短命に終わった科学者もいた。
しかし、いずれの人も志は高く、気宇壮大に未開の荒野を切り拓く気概にあふれていた。
いま「理科離れ」と言われるが、それは子供に関してのことではない。大人こそが「理科離れ」なのだ。それは本書に登場した偉人が知られていないことが、物語っている。
いま「ロールモデルがない」と言われる。成熟社会を迎えた日本で、ロールモデルがいないなら、過去に遡れば良い。
こんなにも痛快な、そしてたくさんの啓発をくれるロールモデルとすべき人がたくさんいるではないか。
本書に登場した科学者の多くを私も知らなかった。
無知を恥じた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
サイエンス
- 感想投稿日 : 2018年7月31日
- 読了日 : 2018年7月31日
- 本棚登録日 : 2017年2月24日
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