翔ぶが如く 5 (文春文庫 し 1-43)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 8
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『翔ぶが如く』5巻を読了。
読了までえらい時間がかかった。というのも興味関心があっちこっちに行ったため、カバンに入れながら読まなかったり、放り出したまま読まなかった時期があったためである。
司馬遼太郎はあくまで作家である。歴史を題材にした小説である。歴史そのものではない。
司馬遼はキャラクターを立たせるのがうまい。
実際の人物がもつ複雑さを捨象して、登場人物のキャラクターを際立たせていると言っても過言ではないだろう。
ただし、史実を徹底的に調べ、探究し、点と点を結び線にして、一つの物語に仕立てる筆力はさすがである。
点と点を結ぶ際に作者の想像が多分に入り込んでいるだろうが、歴史のうねりを知るのに小説という手法は有効である。その時代の雰囲気を生々しく取り込むことができるからだ。
日本人が歴史の面白さを教えた功績と、その時代の雰囲気を残した司馬遼の功績は大きい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2021年2月13日
読了日 : 2021年2月13日
本棚登録日 : 2021年2月13日

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