ちくまプリマー新書の橋本治著『国家を考えてみよう』をKindleで読んだ。
橋本治の本は4冊目で、
①知性の転覆
②上司は思いつきでものを言う
③「わからない」という方法
④国家を考えてみよう
の順で読んでいる。1冊目を読んでからすっかり橋本治ファンになった。
今回の『国家を考えてみよう』も素晴らしい。
「国家を考えるためには国家を考えないことである」と読者の「?」を喚起するところから始まり、国という字の成り立ちを考える。漢字の成り立ちから国とは何かを語るその切り口は斬新だ。
そして、福沢諭吉の『学問のススメ』を解きほぐすことで、日本という国家の成立に迫っていく。
橋本治とはすごい人だ。変幻自在である。
平易な語り口で読者を引き込みながら、橋本流のグルグル回しで引き上げていく手法は変わらない。
しかし、その中で語られる物事の切り口は様々だ。
「国家とは何か」を大上段から語る書物は無数にあるが、この本は『国家を考えてみよう』である。「国家とは何か」なんて考えたことのない、何も分からない読者に目線を合わせて物を書くのが橋本治なのだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
橋本治
- 感想投稿日 : 2020年5月23日
- 読了日 : 2020年5月23日
- 本棚登録日 : 2020年5月13日
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