建築家探偵・桜井京介シリーズの4作目。今回はちょっと趣き変わって、名前はかわいいのに見かけは熊男な我らが深春の語りであります。蒼くんは冒頭と最後のみ…ちょっと寂しいかも;
7年前、深春19歳大学1年生。
貧乏学生の彼が住んでいた古アパートの小火で移り住むことになった「輝額荘」。そこには大家であり、どこか人をひきつける麻生ハジメを初めとして、7人の学生が住んでいた。どこか変人じみたその住人の中のひとり、それが桜井京介だった。
トイレ台所が共用で古びた屋根の下での共同生活に慣れ、建築評論家の飯村と秘書の荻原を交えての忘年会を経て迎えた正月明け、事件は起きた。住人のひとり・カツが裏庭で変死していたのだ。
それを境に、彼らの”砦”には暗く重い影が忍び、新たな殺人事件が起こる…。
深春と京介の初対面…思ったとおり悪かった(笑) まぁ京介は京介ですからね、しかも若い頃の方が人付き合いスキルは更に低そうなので当然といえば当然です。それでもなんとなく、相方のような、友人のような関係になるんだから不思議…。ヒネ具合は7年経っても変わらないね京介…。
前述の通り、深春の視点で進んでいくストーリーがちょっと新鮮。蒼くん視点もよいけれど、彼の真っ直ぐな感じ方も読みやすく好感が持てますね。なにより読者目線に近いv 読みながら、大学生の、まだ社会人ではなく子供でもなく、親の束縛から束の間だけ開放され、でもどこか繋ぎとめられている…そんなどっちつかずでゆらゆらと揺れている感覚を味わっていました。モラトリアム…ううん、それともどこか違うような…。
それにしても神代教授、7年前もやはり素敵なべらんめぇv かっこいい!
- 感想投稿日 : 2012年6月15日
- 読了日 : 2010年8月20日
- 本棚登録日 : 2012年6月15日
みんなの感想をみる