二度殺せるなら (二見文庫 ハ 7-1 ザ・ミステリ・コレクション)

  • 二見書房 (1999年2月1日発売)
3.86
  • (16)
  • (21)
  • (20)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 128
感想 : 21
4

長年行方を絶っていた父親が殺された。
看護師カレンは現地に向かい、担当のマーク刑事に出逢う。
父を殺した犯人が次に狙うのはカレンだった。

うん、面白かったと思う。
マークが、最初カレンの父親について「面倒を見られる家族がいるのに、捨てられたのではないか」という考えに至ったのが、どうなのかなと。
マークは自分が優秀な刑事であると自負してるけど、優秀な刑事は、先入観を持って物事を見ないし、何も決めつけたりしないと思ってるので、カレンに対して冷ややかなイメージを持って接するのはどうかと思った。
何も聞いてないし、どんな事情があったのかも判ってないのに、裁いてしまってるのはなぁ…。

まぁ、スグに気づいて態度を改めるんだけど、カレンが二人で夜を過ごした翌日に、怯えて逃げ出してしまった原因のひとつになってるのは、うまい伏線だなと思う。

マークはすごく女の扱いになれてるんだろうなーって感じ。
あんな風に素敵な家に住んで、素敵な服を着て素敵な声で話して、何でもかゆいところに手が届くような扱いをしてもらったら、女はもううっとりするしかないよな。
手作りのペストリーだの何だの面倒見てくれる、たくさんの女友達たちが、1人もカレンがいる間に姿を見せたり連絡取ってきたりしなかったのは奇跡かな。
マークはカレンが逃げ出すまで、何考えてるんだかいまいち判りづらい人で、素敵は素敵だけどのめり込めなかったな。
カレンはマークに色々話したけど、マークはほとんど自分の話してないもんね。
ただ側にいて、支えて優しくして、面倒見て、将来の話とか自分が人生に求めてるものの話とかもしないまま、セックスにスムーズに持ち込んだ。
カレンじゃなくても、逃げ出すかもね。

逃げ出されてからのマークは、やっと血の通った男らしく感情がよく見えるようになって、それからは良かったかな。
「青い瞳の狼」のジョンが出てきてるのも興味深かった。

☆は4つ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ロマンティックミステリー
感想投稿日 : 2016年8月28日
読了日 : 2016年8月28日
本棚登録日 : 2016年8月28日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする