自動車や電車の通勤をやめて、自転車で通勤をする人々を「ツーキニスト」と呼ぶ。その言葉の生みの親で、自転車のすばらしさを発信し続ける著書がその自転車愛を語る。
「未来は自転車とともにある」と言い放つ著者だが、本書を読み、自転車のすばらしさを知れば知るほど、このエコでムダのない乗り物はもっと注目されるべきだ。
一方、日本の自転車環境にはかなりの問題がある。一番は自転車が代替するのは自動車か、歩行者か、という考え方の違いだろう。行政が自転車専用路を作ろうとすると、歩行者スペースの一部を流用し、自動車が進入しないスペースを駐輪場に当てることが多い。著者いわく、それが大きな間違いで、それでは自転車が歩行者にとって危険物としてクローズアップされる。自転車は自動車を代替するものであり、自動車路の一部を自転車に明け渡すべきだと。自動車を使うことが不便になれば、人はもう一つの選択肢である自転車に自然に乗るようになる。自転車人口を増やすことと自動車人口を減らすことは同時に実施すべきなのだ。
しかし、もし自転車を優先させたところで、人は自転車に乗るのだろうか。その結論はシンプルだ。ツーキニストの著者は言う。「人は必ず自転車に乗るものなのです」と。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
雑学
- 感想投稿日 : 2016年7月11日
- 読了日 : 2016年7月11日
- 本棚登録日 : 2016年7月11日
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