たった二年前の本なのに、はるか昔の話をしているように感じる。ロシアによるウクライナ侵攻がいつ収まるかもわからない今の世界を思うと特に。
コロナ禍を機に世界が変わるはずと、誰もがどこかで期待していたと思う。
でも実際に起きた変化は、ミャンマーでの軍事政権の復権や、ロシアによるウクライナの軍事侵攻という形で現れてしまったのかとショックを受けている。こんな変化はみじめすぎる。
この本でジジェクが繰り返し主張している、共産主義的な変化についてだけど、共産主義というのは、重要な理論だけど現実の世界にあてはめるとろくなことにならないので……これまでに地球上に出現した共産主義国は、例外なく最悪な独裁強権国家となってこの世の地獄を作り上げてきた。
この先、共産主義を基盤においた社会がまたどこかでできたとしても、同じような地獄を作るだけなんじゃないかという不信感はどうしてもつきまとう。
まあ、こういう考えを持つ人も世の中に必要だと思う。すごく教養のある人だよね。私もこんな教養がほしい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2022年6月22日
- 読了日 : 2022年6月22日
- 本棚登録日 : 2022年6月22日
みんなの感想をみる