韓国に幻滅した反動で「二度と韓国には足を踏み入れない」と反韓になり、そっちの方の出版社の常連になってしまった古田博司が岩波書店から依頼されて元原稿から訳したという今では考えられない本。
徐大粛自身が書いた「金日成」と違って、南労党が起こそうとしたという事になっている「クーデター計画」の評価が逆になって北朝鮮の「主張」そのままになっている。岩波書店のような北朝鮮べったりな版元から依頼されて筆を曲げたのか。この本自体、二代目が北朝鮮をいい意味で変えると期待していたかのような筆致を感じてしまうので、著者は朴正煕と初代が評価したという「朝鮮共産主義運動史」の才気を捨ててしまったのか?、と思えてしまう。
邦訳者の古田博司が再三、徐大粛から聞いたという話を書いているのは、この本を訳した時に聞いたと訳者あとがきで書いたものの後半部のようだ。今の「非韓三原則」なるものを前面に出して知識を切り売り(友人の宮脇淳子が「朝鮮時代にハングル文学は存在していたが流布されなかった」と平気で書いているところを見ると、古田博司も儒学はともかく「春香伝」や「沈清伝」といったハングル文学の存在を知らないのか?と疑ってしまう)しているところを見ると、もう岩波書店から仕事の依頼は来ないだろう。
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- 感想投稿日 : 2023年9月26日
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- 本棚登録日 : 2023年9月26日
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