温泉の近くで『苔料理専門店』で食事をとる。
子供時代に住んでいた家についてのインタビューで語る。
小学校の運動会巡りで借り物競争に駆り出され、
景品の学習ノートに原稿を書くことを思いつく。
マルセイユのバスで出会った”有名な作家”が誰だったか思い出せない。
生活改善課のRさんに学習ノートに原稿を書くことを止められる。
小石を拾いながら200字のあらすじ書きで食べていた。
盆栽フェスティバルでRさんと作家のWさんとはぐれる。
子泣き相撲で探し求めていた赤ん坊を受け取ろうとする。
ひとり、またひとりと消えていく現代アートのツアーに参加する。
本当のようで本当でない、フィクション日記。
装画:小杉小二郎 装丁:水木奏
最初はエッセイなのかと思っていたけれど
『苔料理専門店』あたりから疑いはじめて、
爪が苔色になったところでフィクションだとやっと確信しました。
小川さんの身になら起こっても不思議じゃないような気もします。
新人賞の下読みから始めたというあらすじ書きについてが
とても興味深かったです。
全体の構造と中心の流れ、支流の様子をぼんやりとつかみ、
小説の大切な支点となっている2,3の小石を拾う。
試しにこの小説でやってみようと考えましたが
まず突飛なことが細切れに置きすぎて流れが見つからない。
そして小石だらけのように思えてしまう。
それくらいひっかかるところの多い作品です。
結局頓挫したまま終了しました。うう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ア行
- 感想投稿日 : 2010年12月26日
- 読了日 : 2010年12月9日
- 本棚登録日 : 2010年12月26日
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