ドラッカー名著集13 マネジメント[上]―課題、責任、実践 (ドラッカー名著集 13)

  • ダイヤモンド社 (2008年12月12日発売)
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感想 : 31
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 本書はマネジメント書の中でもバイブル級に位置づけられるが、これまであえて積読状態にしていた。しかし、自分の中でようやく読むべき時がきたのを感じたので、手に取ってみた。まだ上巻を読んだだけだが、考えさせられる点が多々ある。以前にエッセンシャル版を読んでいたが、やはり原典の重みは違う。
 ドラッカーの他の著作を読んでいるので既視感の高い章も多かったが、この本ならではの記述として印象に残ったのは第18章「仕事を生産的なものにする-管理手段とツール」と第25章「社会に与えるインパクトの処理と社会への貢献」だ。第18章はITが発達して様々なツールがビジネスに利用される中で、管理・ツールとはどうあるべきかを改めて考えさせられた。おそらく多くの企業で現場の生産性を落としている管理やツールが横行していると思われるが、もう一度、ドラッカーの言葉に立ち返る価値がある。また、第25章はSDGsがブームとなりつつある現代で企業が本当に何をすべきか、何をすべきでないのかを考える視点を提供している。
 ドラッカーは日本についてもよく研究しているため、本書には日本の事例も多数紹介されている。その中には現代では失われてしまった旧き良きマネジメント慣行も多い。原著は1973年に出版されたものであるが、古臭いと思わずに温故知新ととらえて、組織のマネージャークラス以上の方には是非、読んでいただきたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経営
感想投稿日 : 2018年8月26日
読了日 : 2018年8月25日
本棚登録日 : 2018年8月25日

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