死にゆく者からの言葉 (文春文庫 す 9-1)

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  • 文藝春秋 (1996年10月9日発売)
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この世で「愛すること(慈愛)」と「知ること(叡智)」だけが生きる意味である

慈愛とは親が子を慈しみ愛するようなこと
叡智は「物事に秘められた深い道理がわかるほどの優れた才能や知恵」のこと
物事の本質を見抜くほどの研ぎ澄まされた才能や知恵のことを指し
時には人類の枠を超えて、自然や神などの人類の叡智を持っても
計り知れないような力や知恵などに対しても使われる

死にゆく者はそのおおよそ24時間前に快復したかのような状態になる
この時にすべきことを残されるものは知っておかねば

母の時に忘れないでおきたいし
自分の番になった時にこれを誰かに知っておいてもらいたい

最後のこの時に何を言っても動揺しないでじっと聴くことができるのは
近しいひとではなく 安定した状況にいる他人
その人の言葉の意味していることをしっかり受け止め
理解したことを示してくれる人を死にゆく人は求めている

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年8月29日
読了日 : 2019年8月29日
本棚登録日 : 2019年8月23日

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