あしたの幸福

著者 :
  • 理論社 (2021年2月19日発売)
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感想 : 36
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父親が交通事故で亡くなってしまい、ひとりになってしまった雨音。
今の家に住み続けるために小さい頃に別れた母親に保護者になってもらうことに。
ちょっと不思議な生活が始まる。
そこへ父親の婚約者も同居することに。
別れた母親がいい。
人がどう思うかではなく、自分がどうしたいかで生きている。
もちろん他人との軋轢をうむ。
でもこういう人がいちばん裏表がなく言葉に嘘がないのかもしれない。
そういう言葉って折れかかった心には逆に優しいのかも。
廉太郎は国吉さんに救われてのかな、って思った。
雨音も救われながら、静かに暖かく見守られながら成長していくだろう。
印象に残ったのは帆波が雨音の父親が事故のとき、お腹の赤ちゃんをかばったのではないか、と言ったとき、国吉さんは危ないと思ったときはとっさに身体が動き隣の人をかばうのではないか、と言った場面だ。
すごく当然のことを言っているがこの言葉で雨音は救われたのでは、と思う。
意図した言葉ではないかもしれない。
でも正直な言葉が雨音の父親への気持ちを守ったのではないかなあ。
国吉さんはやっぱり雨音の母親だ。
国吉さんと雨音のこれからが穏やかなものになりますように。

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感想投稿日 : 2021年11月25日
読了日 : 2021年11月25日
本棚登録日 : 2021年11月25日

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