知性は死なない 平成の鬱をこえて 増補版 (文春文庫 よ 35-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (2021年11月9日発売)
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本棚登録 : 138
感想 : 12
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研究者の著者が鬱病を患った経験を書かれています
元々賢かった人のため、本が読めなくなるほど追い詰められる病症がショックだそうでした
自身の知性に自信がお有りのようでしたので、鈍化していく脳により衝撃を受けたのでしょう
テストの結果を受けた結果を比較し、鬱がどれだけ知性にあったか説明されています
周囲が納得して聞いてくれてるのは研究者としての肩書きがあってこそで、社会的地位が低ければ戯言として切り捨てられ誰も聞いてくれなかったと思います
鬱病に対する誤解も項目に分けて紐解いており、下手な医療従事者より余程精神疾患の偏見を減らせれるでしょう
しかもこの解説は文春オンラインで公開されており、誰でも読める親切さがあります
当事者の方でも彼の体験記を読むことで鬱病への理解が深まり、誤解を解くことができるでしょう
本書の時文には著者の熱が漏れており、快方に向かう様はうつ病当事者に心を与えることでしょう
下手なうつ病解説書を読むより、Web公開されている箇所を読むだけでもうつ病への世間の理解が進むと思います
そしてうつ病は未成年の内に掛かるものではないと確信しました
成人で聡明な方ですらここまで転落するのですからら、若いうちに患ってしまえば人生が詰んでしまうでしょう
理解が深まるとともに鬱の絶望の底知れなさを知るでしょう

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年10月27日
読了日 : 2022年10月19日
本棚登録日 : 2022年10月19日

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