もっとも帝国軍人らしく生きようとし、軍人でなくなってからも狂気にも似た気迫でそれを実践しようとした男、それが甘粕正彦と言える。
角田房子がこの本のタイトルを「甘粕正彦」でなく「甘粕大尉」とした理由もそこにあるのではないか?。
大杉栄殺害の真相はどうであれ、この男なら実行も身代わりでも何でもしただろう。
その男が夢をかけたのが満州であり、その崩壊とともに自らの命を絶ったのもむべなるかなという感じがした。
およそ今の日本の状況では考えられない精神世界に身を置いた男の人生として、興味深く且つ空恐ろしくも読める本です。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2010年4月18日
- 読了日 : 2010年4月18日
- 本棚登録日 : 2010年4月18日
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