私はなぜ「中国」を捨てたのか (WAC BUNKO)

著者 :
  • ワック (2009年8月18日発売)
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感想 : 57
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WEDGE Infinityでの著者の論談が興味深かったので読みました。
WEDGE Infinityの論旨から冷静沈着な方と思ってましたが、この本を読んで、実はとても感受性が豊かで情熱的な方との印象を受けました。

私にとって、中国とは古の論語、儒教の世界、という意識があったのですが、
文化大革命によりそれが徹底的に破壊されたことを初めて認識しました。
そのただ中に生きた著者の言葉は重いです。

また、昨今の激しい反日は、天安門以降突然出てきたとのこと。
20数年前とはいえ衝撃的だった記憶の天安門事件。そのキーワードと1党独裁のプロパガンダ。
このからくりとここ十数年の激しい対日変化を適切に把握しておかなければならないことに警鐘を与えてくれます。

最後に、日本は天皇制があったからこそ、古の伝統や文化が政変や動乱の中でも受け継がれてきた、との見解ははっとさせられました。
日本人として当たり前にとらえてきたことだけど、実は日本独自の大事にすべきことである、と思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2013年9月2日
読了日 : 2013年9月1日
本棚登録日 : 2013年8月18日

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