実は、ポール・オースターの「トゥルー・ストーリーズ」(新潮文庫・2008年1月)は、2年ほど前に読んで、実に面白いと思った作品で、今回の「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」は、その素人版に当たる。 「トゥルー・ストーリーズ」は、著者自身の人生に起きた奇妙な事件だけを書き記した短編集だったけれど、この「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」に集められた話は、ポール・オースターがラジオで呼びかけたことで、全米から集まってきた無名のライター達による無数の「トゥルー・ストーリー」をセレクトしたものだ。 本当に、人間の身の上には、偶然とか奇跡としか思えないようなことが起きる。誰しも、どこかに神様がいるのでは思うような不思議な体験を一度はするものだけれど、これはそういった「事実」の膨大な集積で、読むにつれ頭がくらくらしてくる。とにかく面白い。
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- 感想投稿日 : 2010年4月25日
- 読了日 : 2010年4月25日
- 本棚登録日 : 2010年4月25日
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