せん-さく (幻冬舎文庫 な 25-1)

著者 :
  • 幻冬舎 (2009年10月10日発売)
3.15
  • (1)
  • (9)
  • (24)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 149
感想 : 12
3

「俺、帰りたくなくって」
29歳の主婦・典子は、ネットのオフ会で知り合った15歳の遼介から別れ際、告げられる。
典子は家出を思いとどまらせようと少しだけつきあうことにしたが
彼はなかなか帰らない。
道行きの途中、二人は遼介の級友の両親が殺され、友人自身も行方不明だと知る…。

29歳の主婦・典子がネットを通じて知り合った仲間と初めて顔を合わせる
オフ会に参加した。
その時出会った中学生の遼太に家出すると告げられ驚くが、
心配になった典子は遼太と一緒に旅をする事にした。
29歳の主婦が、何ゆえ15歳の少年の不可解な行動に歩調を合わせ、
少年の万引きに罪悪感を心地よいものと感じたり、
車を盗んでドライブし、ペーパードライバーの典子事故を起こし
人を撥ねて殺してしまってもトランクに入れ、車を放置してそのまま逃走する…。
ある種の運命共同体を形成してしまったのか…?
どうして?どうして?と違和感がありまくりでした。

それと最初に登場したパソコンをする二人の少年の内の一人
引きこもりの少年。
物語は、遼太と典子。引きこもりの少年。
二つの視点を交互に繰り返してゆく。
遼太と引きこもりの少年の関係は早々に予想が出来、
中盤で早くも明らかになるのですが、
二転・三転としながら徐々に明らかになっていく真実。驚きました。
典子の過去にとっても驚かされました。
二人の環境には同情しましたが、やはり普通の人を殺しても何も感じない…。
そんな所には共感出来なかったなぁ。

誰もが現状に何らかの不満を抱きがちですが、
意外と気付かないのかもしれない。
当たり前だと思っている事の幸せ。
改めて幸せなんだなぁって考えました。

何気ない日常に潜む、普通の人々の悪意と善意の表現が秀逸だったなぁ♪

これがデビュー作だったのですね。
この本は数年前に購入してずっと積んでいた本だったのですが、
読み始めてハンドルネーム「うげ太」←印象深くって覚えてました。
再読だぁって気付きましたが、全く覚えていなくって
ハラハラドキドキして楽しめました(*Ü*)*.¸¸♪

三人にはこれから幸せになって欲しいなぁ。
三人で会って仲良くして欲しいなって思いました。
表紙のイラストが内容と凄く合ってて息苦しさを感じる程でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2019年3月21日
読了日 : 2019年3月21日
本棚登録日 : 2019年3月10日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする