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青年のための読書クラブ
- 桜庭一樹
- 新潮社 / 2007年6月1日発売
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乙女だらけの学園で、“異形”の少女たちが正史には残らない裏の学園史を書き綴る物語。
物語は時系列順に並び、過去から少し未来へと繋がっていきます。
幼等部からのエスカレーター式女学園ということがあり、女の子同士の友情や、いわゆるエスと呼ばれる関係が数多く出てきますが、女に囲まれて女に友情以上の感情を持つようになっても、所詮はひとりの小さな女の子なんだなぁと思いました。
その小さな女の子が学園にもたらす数々の闇の歴史は、とてつもないものだったりもしましたが。
変わらないものはないけれど、いつまでも夢を見ていたいのは、きっと誰もが同じだと思います。
2010年10月19日
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Diamond Dust
- Phantasmagoria
- UNDER CODE / 2010年3月9日発売
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メジャーデビュー予定だったシングル『神歌』のカップリング曲に収録される予定だったそうです。
『神歌』が歌詞などからもマニア向けというか、好き嫌いが分かれそうな曲なのに対してキラキラとしたキャッチーで聴きやすい、純さんらしい曲でした。
コテコテのPhantasmagoriaに慣れてしまった私はちょっと爽やか過ぎたかなぁという印象ですが、メジャーデビューには相応しい曲だと思います。
何故こっちをA面にせず、代表的な曲といえどメジャー向けでは無い神歌をA面にしたのか疑問が残ります(笑)
2010年4月25日
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少女ノイズ (光文社文庫 み 29-2)
- 三雲岳斗
- 光文社 / 2010年4月8日発売
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欠落した記憶を抱え、殺人現場の写真に執着を持つ青年と、心を閉ざして、理想的な優等生を演じつづける孤独な少女。
進学塾の屋上で出会った二人が見つめる恐ろしくも哀しい事件の真実とは何か?
そして、少女のつけた巨大なヘッドフォンのコードは、どこにつながるのか?
冷徹なまでに美しい本格の論理で解かれる最大の謎は、エンドロールのあとの二人の未来――。(裏表紙より引用)
お互いに欠落した部分を持つ少女と青年が出会い、互いに惹かれ合っていく。
個人的には解説にもあったように、ミステリーというよりも恋愛小説のような感覚で読み進めました。
ただのミステリーとカテゴライズするのにはもったいないです。
ミステリーとしては、ひとつひとつの事件のトリックが巧妙過ぎて私の頭ではついていけない部分もありました。
あれだけの証拠であそこまで完璧に事件の真相を導き出すのは難しいと思いますし、時々なんだか引っかかる部分がありました。
恋愛小説としては、お互いの惹かれ合う、でもなかなか素直になれない感情が良かったなと思います。
瞑は高須賀に憧れを持っていたんだと思いました。
自分は家庭崩壊を止めるために自分を偽らないといけなかったけれど、高須賀は特に隠すでも無く自分の変な性癖の赴くままに行動している。
そこが羨ましいというか、憧れていたというか、自分に無い部分で惹かれたのかなと。
ヘッドフォンは瞑が現実の自分を偽っている世界と完全に遮断して、ありのままの自分に戻るためのスイッチになっていたのだと思います。
でも高須賀に出会い惹かれ、両親の離婚により偽る必要も無くなり、現実の世界で生きられるようになった自分と現実の世界で生きる高須賀とを改めて繋ぐものとして最後の描写があったのだと思いました。
キャラクターひとりひとりが魅力的ですし、スイスイ読み進められました。
2010年4月24日
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下妻物語: ヤンキーちゃんとロリータちゃん
- 嶽本野ばら
- 小学館 / 2002年9月1日発売
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ロリータファッションを好む少女・桃子とと昔のヤンキーのような少女イチゴ。
一見相反している2人だが、徐々にお互いを認め合い友情を深めていく物語。
女の子の友情モノは大好きですし、恋愛要素も少し織り混ざっていたりもしましたし、楽しんで読めました。
桃子とイチゴのような友情が本当の友情なのかな、と考えさせられたりもします。
文体的にも凄く読みやすいと思います。
ただ桃子のファッションについての描写やメゾンの説明が細かいので、ロリータファッションを好んでいる方以外は少し読みにくいところもあると思います。
2009年12月16日
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砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない: A Lollypop or A Bullet (富士見ミステリー文庫 38-6)
- 桜庭一樹
- KADOKAWA(富士見書房) / 2004年11月1日発売
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母と兄と自分の三人暮らしである現実と立ち向かう「実弾」が欲しい現実主義の少女と、父と二人暮らしの自分を人魚だと言う「砂糖菓子の弾丸」を打ち続ける少女の、現実との戦いと友情の物語。
グロテスクな要素とかはライトノベルっぽいなぁと思いました。
全体的には好みです。
「砂糖菓子の弾丸」という言葉も好き。
女の子同士の友情ものをなかなか見なかったので、少し新鮮な感じがしました。
主人公の少女二人の境遇は特別なものかも知れないけれど、気持ちや葛藤なんかはいろんな人に通じるものがあると思います。
2009年12月14日