ドードーを知っていますか 第2版

  • ベネッセコーポレーション (1995年2月1日発売)
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感想 : 4
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今の私の本棚に残っている数少ない絵本の1冊です。ドードーをはじめとした、今は滅んでしまった動物たち14種を紹介しています。最初は、タイトルのとおりドードーから。このずんぐりとした、七面鳥のようなハトの仲間の鳥は人間を恐れなかったため、あっという間に当時の船乗りの食料として食べつくされてしまいました。だから、この鳥の全体像がわかるような標本は残っていないんだそうです。羽根の色さえわかりません。オオウミガラスも衝撃的な滅びかたをします。もともと数が減っていたところ、生息地が海底火山の爆発で四散(これはどうにもならないけれど)!50羽ほどが生き残ったのですが、2羽を残して、残りは標本のためにすべて撃ち殺されてしまったとか。そんなの、意味ないじゃん!アメリカ大陸のリョコウバトも、数十億羽いたといわれたものが、あっという間に滅んでしまいます。もう、なんだかなぁ…。生物の盛衰は、ある面では進化論・生態学的にやむを得ない面があるのは否定しません。ですが、この本に出てくる動物たちはみな、人間の配慮のなさで歴史から消えていっています。読んでいて、そこにしゅんとしてしまいます。文章の量は多くないので、子どもさんが自分で読んでも(漢字がちょっと多いけど大丈夫)、読み聞かせてもオッケーです。細密画のような美しい挿絵が夢のように美しい配色で描かれているため、よけいにやりきれなくなってしまいます(なぜに画像データがないのかな:泣)。私の持っているのは1982年出版のものですが、見開きに連続プリントされた、ドードーのイラストがとてもかわいい!環境問題とか大層なことはいいませんが、人間は簡単に他の生き物の存在をつぶしていける力を持っているものなんだ、ということを思い知らされる本です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 思い出し書き・マイクラシックス
感想投稿日 : 2008年6月7日
読了日 : 2008年6月7日
本棚登録日 : 2008年6月7日

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