子供の頃、近所に自閉症の子がいて、よく一緒に遊んでいました。その頃にこの本を読みたかった。その子にはまともな知能がないと思っていたし、大人になって再会したときにその子のご両親が「ちゃんと覚えてて、喜んでいるのよ」と言ったのをすごく意外に思った、その前に読んで知っておきたかった。自閉症の人は言葉や身体を思う通りに操れないだけで、頭の中には色んな気持ちや意見がちゃんとあって、やりたいことや学びたいことがいっぱいあるんだ。それがあるからこそ、できないことが苦しく悲しい。筆談という心のうちを外に発信できる手段を、この本の著者は手に入れて、こうして私にも彼の心のうちが垣間見られるようになりました。文字って素晴らしい。私が「どうせ分からないだろう」と思ってしたことが、あの子を傷つけていただろうなあ…と十数年を経て反省。今年の20年早く読みたかった本ナンバーワン。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年5月22日
- 読了日 : 2016年5月17日
- 本棚登録日 : 2016年5月16日
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