天狗の花帰り (二見シャレード文庫)

著者 :
  • 二見書房 (2012年3月23日発売)
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本棚登録 : 165
感想 : 15
4

甘々大満足!これでもかってくらいの相思相愛の半端ない甘々っぷりにもうにやにやしてにやにやして。とっても満たされました。甘やかし方がすごくツボ。かわいい。
剛藾坊は天狗なので、照れるでもなく本当に臆面もなくとんでもない台詞を吐くので、でもそれを受け取る雪宥は元人間で喜びつつ身悶えていて、そら身悶えるよと。ものすごい愛だった。とてつもない執着と過保護さと、だけどそれもさもありなんという程の深い愛に、当てられてしまいました。生かすためなら何でもするし死んだら、という台詞を第三者に向けて淡々と本気で言うところが良かったです。そういう愛情を示される毎に、愛されてると知ってても改めて染み込んで愛しさが増すというこの本全体を通しての描写がまた、うまいなぁいいなぁと思いました。今まで俺の気持ちは通じてなかったのか?と剛藾坊は言ってましたが、通じてないんじゃないんだよね。ね。ていうこう、滲み出る愛しさとか、執着や心配や、え、そんなとこにまで?というような嫉妬を全く隠しもせず見せられて、かわいいなぁと愛しくなってるのとか、お互い好きで好きで仕方ないと指先や内側から溢れ出る感じがすごく良かったです。触れたくなる描写が。一言で言えばらぶらぶさが、とてもかわいかった。
あと転成出来ない可能性もあると知ってたというの。もし出来なかったらどうしてたかという話。じんわりしました。それを特に主人公に話もせず当たり前にそうする気でいた事にも。
お披露目の席でずっと膝抱っこしてるのがかわいかったです。質問攻めのところは大分吹きました。天狗と人間の感覚が違いすぎて1人羞恥プレイ(笑)そしてどんぐり一体どんな扱いなんだ…なぜどんぐりが残酷なんだ…意味のわからなさに吹きました。が、え、まさかそんなとっからシリアス話に突入してくの?でもそういう話も出てくるし書ける話ではあるしなぁと思ったら、身構えた様な方向のシリアス話にはならなかったので良かったです。伴侶になって甘々で永劫一緒にいることになったのに、感覚の違いでさみしさを覚えてすれ違ったりするのかなと思った。人間の感覚を持ってるのはたった1人だし、なくはない話なので。でも今回は全体的にずっと明るめのラブコメ話で良かったです。銀嶺坊は可哀想でしたが。
つむじに拘る天狗が地味にウケました。
あと雪宥の中の家族への蟠りも今回解決してて、予想してなかったので良かったです。そこは前回のでもう終わってしまったのだと思ってた。これで完全に心置きなく。そんなとこでも剛藾坊は何も言わずに実は雪宥のこころを守ってて、ずっと守ってて、優しいなぁと。
剛藾坊の溺愛っぷりはすごかったです。ひたすら甘やかして甘やかして甘やかして。怪我させたくないと人間界の山道を歩くなど許さんと抱きかかえたり。ちょーう過保護!なのがまたかわいかったです。本当は誰にも見せたくない閉じ込めておきたい。子供がそんなに欲しくない理由もね!もうね!お約束ですよね!まぁ最後にはなんだかんだで結局。そしてオチのあれも高尾さん的お約束でした(笑)あとがきでも触れてましたが。
第3弾あるのかな?ありそうですよね?あるといいなぁと思いつつ、個人的には剛藾坊と同じ気持ちでもあったり。もっと2人きりのらぶらぶが見たい。けど次があるとしたら、もう最後で2人じゃなくなることは決定してるからなぁ。まぁきっと溺愛っぷりは変わらないと思いますが(笑)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: BL小説
感想投稿日 : 2012年9月23日
読了日 : 2012年9月22日
本棚登録日 : 2012年9月22日

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