老いる覚悟 (ベスト新書 330)

著者 :
  • ベストセラーズ (2011年5月10日発売)
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人生は、出会いの連続
第一が人間との出会い
第二が文化との出会い(小説・絵画・音楽・演劇・古典芸能)
第三が場所の出会い、初めて訪ねた町や自然に接して感銘する。
それぞれの出会い、これは未知との遭遇である、自分の未来の無限の可能性を広げのが、まさに出会い。
歳を重ねると、知らない人と話すのは疲れる、未知の方角に行きたくない、などと出会いを拒否したり、あるいは面倒くさがるようになる。それは知らないうちに自分で老いを加速しているようなものである。
予定を立てるときはあまりびっしりと時間を組まない、時間に追われてストレスになってしまう。ゆったり予定を組めば精神的なゆとりもでき、自由な時間を堪能できる。
時間の遣い方に関して、何でもダブルでする。好きな音楽を聞きながら風呂に入る。犬の散歩をしながらラジオで情報を集める。テレビを見ながらストレッチする。物事を何でもふたつ一緒にやると、時間が半分で済むし、効率的で得したような気分になる。一日は1440分しか無い。
同じ散歩をするにも散歩でもするかと今日は・・・公園までお弁当を持って散歩に行こうというのでは、まったく意味が違う。
明確な目標があって行動するのと、たた無為に行動するのでは、精神的な喜びや心地いい緊張感が心と体に与える豊かさがまるで違う。
目的を持って行動すれば、満足感と充実感がついてくる。
覚悟のない行動は時間の空費に過ぎない。
人生の残りのカレンダーは日々少なくなっていく。
人が老いるということは、志が減ることにほかならない、志とは未知なるものを求める力である。
老いても重要なことは、常に自分の目標を持ち、未知に挑戦していく心である。
未来を見つめ続けている人は若者と同じ志を持っている。新しい経験を常に求める志があれば、精神的にも肉体的にも若さを保つことが出来る。
逆に過去にばかり思いを馳せる人は、心身ともに老けていく、過ぎ去った過去を見つめても永遠に新しい経験を得ることができない。
どれだけ歳を重ねても、未来の出来事は予測できない。未知なのである。
明日、死ぬかもしれな、百歳まで生きるかもしれない。未来にどんな人生が待っているのかは誰にもわからない。それは、可能性が無限にあることにほかならない。
未来の可能性に気づいてない人は、肉体が老いるとともに、心も比例して老いていく無限の可能性を追い求めれば、肉体的には老いていくが、心は老け込まない。
自分ひとりの力だけでは追求することは出来ない。いろいろな人の意見を聞いたり、万感の書を読んだり、有識者の意見を聞いたり、そして、ある日、突然悟りは開かれる。多種多彩な知恵や、考え方を集積してたどり着いた、自分独自の理念。それが悟りなのである。
肉体の衰えは如何ともしがたいが、歳をかさねたことによって、知の視野が広くなる。
自分が意識しているほど、他人は自分の事を意識していない。そう考えると気が楽になる。自意識過剰はやめたほうがいい。常に他人の眼を意識して、自分が好きなことをできなくなる。
年寄りの冷や水 いわれようが、周囲を気にせず、自分の思うがままに、やりたいことをやるのが自然である。
人生これで満足だと思ったら新しい挑戦ができなくなる。老いたことにより、上昇志向を失う人が多いのではないか、だが、絶対に上昇志向は失ってはならない。もういいと思ったらそこで終わり。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: BOOKOFF
感想投稿日 : 2021年2月11日
読了日 : 2021年1月11日
本棚登録日 : 2021年1月11日

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