流しのしたの骨 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1999年9月29日発売)
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本棚登録 : 8679
感想 : 816
5

ちゃんと五感とつながる日常生活の中の描写。描写と会話のリズム感…日常を描いた作品なのに、どこか非現実的な雰囲気もあり、読んでいて独特の心地よさがあった。
一見変わった家族だけど、それぞれが誠実に生活を積み重ねている。逆に言うと日常生活の積み重ねがその家族独特の空気を生み出しているのかな。きっとどの家族もよそから見たら「変わってる」んだと思う。

話題作は次々と映像化され、あえて活字で読むことに疑問を感じてしまうこともあるこの頃だけど、このような作品は活字じゃないと楽しめないと思う。読書の本来の楽しさを味わせてくれた作品だった。

それにしても、「こういうとき、この人ならこう言うだろうな」という安定感のある登場人物の中で、
なんでしま子ちゃんだけなんでこんなに不安定で、痛々しいキャラクター設定なのかな…読んでいてちょっと胸がチクタクした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年1月27日
読了日 : 2022年1月27日
本棚登録日 : 2022年1月27日

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