中一の娘にガロア理論を解説してくという,微妙に数学ガールな体裁。数学ドーター? 萌え要素はゼロだけど。
代数方程式の可解性を中心に,抽象的になりすぎないよう配慮。非専門家なのにここまで書けるとは,と舌を巻く。
数学的な厳密さには欠けるところもあるけれど,群を使って方程式の構造を調べ,方程式が解けるとはどういうことかを掴むのには十分な内容。中学一年生にはちょっと荷が重いと思うけど,高校生なら何とかいけそう。著者も文学部出身で,40を超えてからガロア理論に挑戦したというのだから,大人にも心強い。
ガロアと言えばそのドラマチックな生涯に触れない手はないが,そのあたりもしっかり語ってて,メインの数学部分に対する良いスパイスに。
方程式論だけでなく,ルービックキューブの群が8次の対称群と12次の対称群を含む位数43252203274489856000の群であることも解説。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
数学
- 感想投稿日 : 2012年11月28日
- 読了日 : 2012年11月28日
- 本棚登録日 : 2012年10月10日
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