赤い刻印

著者 :
  • 双葉社 (2016年5月18日発売)
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本棚登録 : 346
感想 : 65
3

図書館本。

●収録作品●赤い刻印/秘薬/サンクスレター/手に手を

どちらかというと長編が好きで、短編集が苦手、でも、長岡弘樹さんの短編を読む機会があり何度か読んで…抵抗なく楽しめたので他の作品も読んでみたいなと思ってのチャレンジ。
決して派手な作風ではなく、静かな穏やかな雰囲気。
でも、時々ぞくりとする展開もあったりして。

この本には四つの作品が収録されている。
連作というわけではなく、それぞれ別のお話。

*****

『秘薬』以外は家族のことが主に関わるお話の印象。

『赤い刻印』の母娘については『傍聞き』という作品にも出ているらしいので読んでみたい。
今回はちょっと設定が出来すぎている気はしたけれど。
以前にも登場したキャラだからか主人公母娘のキャラクタができてしまっていたので、これも『傍聞き』を読んでいたらもっと楽しめたんじゃないかなぁと。

『秘薬』も主人公がけっこう大変な状態なんだけれど、周囲のひとがあったかくていい。
タフさを少し取り戻す主人公も良かった。

『サンクスレター』も設定がちょっと…偶然って言ってもなぁ…なんて。
でも、ぐっとはきた。お父さん…。

『手に手を』は静かにひたひたと物語が進む感じが主人公の心の澱を描いているようでもやっとした不安感を抱きつつ読んだ。
お医者さんのキャラクタがお気に入り。

設定がなんだと野暮なことも言いましたが、全体として楽しく読むことができた。
他の作品も気になっている作家さん。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(国内)
感想投稿日 : 2019年1月25日
読了日 : 2017年12月21日
本棚登録日 : 2019年1月25日

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