大きなハードルと小さなハードル (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社 (2011年6月4日発売)
3.80
  • (10)
  • (21)
  • (9)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 181
感想 : 14
3

”世間の眼などどうでもよかった。鳥は夜に眠り、啼かないものだ、と教えてくれる世間など。”

作品の空気感みたいなもので言えば、一番クセになっている著者。
今作も男女や家族の3つの短い物語から、カラッと晴れてはいないけど雨でもない、それでいてジトっとともしていないような、独特の空気を感じとれた。
どの作品も明るく朗らかって感じてはないし、早々特別なことがあるわけでもないけど、日常生活の些細な機微がきっかけとなり、微かなこれからへの希望を見出していた。
長い時間をかけて、この人の物語をできるだけ多く読んでいきたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年4月3日
読了日 : 2023年3月31日
本棚登録日 : 2023年3月31日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする