突如猛威を奮いだした未知の病原菌と人類の戦いの話。
天冥の標1巻が円宇宙開拓独立戦争的で、しかもすごいところでぶった切ったものだから、2巻がこれで大いに驚きました。
後書きで言っていた驚きというのはこういうことか。
ただこれはこれで、現実世界に要素が一つ加わることで人間がどのように生き方を変えるかの一面で、かなり興味深く読ませていただきました。
彼の作品の特徴として、女の子がちょっととんでもなくひどい目に遭うというのが印象にあるのだけど、今回のはまた実に格別。
取り返しがつかなくなってから思いが通じていたことが分かるとか、児玉は尊敬に足る良い男だと思うけど、ねじ曲がったしまった筋道を伸ばしなおすのは本当に大変だ。
このお話もこれだけで完結していると言えば言えるけど、やはり10巻のなかの1巻であってほしい余韻の残り方で、1巻の千切れ方と合わせて、早く続きが読みたいところ。
構成力には全幅の信頼を寄せている作家だし、10巻そろった時の着地が、恐ろしくも楽しみです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文庫(小説)
- 感想投稿日 : 2010年12月11日
- 読了日 : 2010年12月11日
- 本棚登録日 : 2010年12月5日
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