ホテル・ニューハンプシャー〈下〉 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1989年10月30日発売)
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感想 : 87
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一人一人が、ゴツゴツといびつで、切り立っていたりざらついていたり、
手のひらですくい上げると色も形もさまざまな、そんな石を連想してしまったペリー家の人々。
次々襲い来る悲惨なできごとに、互いに関わり合いながら、向き合うすべを探しだしてゆく。

家族物語ではあるけれど、ありがちな甘ったるさや湿っぽさはない。
だからこそか、かえって深いつながりを感じた。

過激で痛々しくて、でもユーモラスで哀しく暖かい物語。
彼らみな、愛おしい。
いつの日か、また読み返しそう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(翻訳)
感想投稿日 : 2012年7月24日
読了日 : 2012年7月24日
本棚登録日 : 2012年7月24日

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コメント 3件

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/07/24

「彼らみな、愛おしい。」
「ガープ」「ニューハンプシャー」ともに先に映画で観てから読みました。映画より好きです。ちょっと無常観のような遣る瀬無さが漂っていますが、負けていないですよね。。。

pponさんのコメント
2012/07/25

nyancomaruさん
それぞれ深く傷つけられはするけれど、安易に読者を涙に引きずり込むような感じではなくて…。
悲しみの見つめ方に、強さも感じました。
皮肉を含め、ユーモアたっぷりなのもいいですね。

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/07/27

「ユーモアたっぷりなのもいいですね 」
とことん暗くなりそうなところを、ユーモアが繋ぎ止めているのかなぁ~
身体が二つあったら、即読み返したい。。。

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