免疫学者の多田富雄さんと、社会学者の鶴見和子さんの往復書簡による対談集。多田さんは脳梗塞で倒れた後、言葉を発することができなくなったにもかかわらず、慣れないPCで鶴見さんへ手紙を綴った。
生命の進化の過程は、下層から上層へのステップアップの繰り返しであるが、そこには必ず今までにはない創造が起きる。それを超越と呼ぶ。
人間の社会も、個人から始まって家族、会社、国と集団が大きくなっていく際に創造的変化が起きている。自然科学と社会学の類似性を示す一例である。
人間の免疫は、非自己を必要以上に攻撃しない寛容という仕組みをもっている。人間社会でも、異質なものであっても受け入れる姿勢が大切であると言える。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2011年9月10日
- 読了日 : 2011年9月10日
- 本棚登録日 : 2011年9月10日
みんなの感想をみる