大好きな垣谷美雨さん、タイトルに驚かされることが多いんですが、
今回は『老後の資金が足りません』
あぁ、他人事じゃありません…。
主人公・篤子。
五十歳を過ぎ老後の生活が気になりはじめ、何かと気苦労が絶えない。
長女の莫大な結婚費用、義父の葬式費用、義妹夫婦との相続・介護問題、そのうえリストラ。
次から次へと起こる問題にも、どこか切実さのない夫。
仕送り9万円のバトルでは、
思うように反論できない篤子がもどかしくてイラッ。
義妹に見栄をはり、逃げる夫にムカッ。
「出せないものは出せないんです。無理だって言っちゃえー!」
いざ篤子と同じ立場に立ったとしたら、自分も似たり寄ったりな気がしますが、
あくまで今は読者。強気です。
義母が同居してからの「それは無茶です、お義母さま!」と言いたくなるような展開、
嫌いじゃないです。(年金詐欺は別として)
義母に振り回されるうちに、だんだん逞しくなっていく篤子が愉快。
定年後から平均寿命まで生きられたとして、
老後に必要だとされる費用は、なんと六千万円!
だそうです。は・は・は…
厄介ごとの嵐でどうなることかと思いましたが、
不思議なくらい読後感は良かったです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
か行
- 感想投稿日 : 2016年7月16日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2016年7月16日
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