大滝詠一と松本隆のキラーコンビに陶酔殺戮されたあたしがこの本を読むことは必然だった。実際、雨のウェンズデイを聴きながら幾つも落涙をした。どうしようもなく、恋!
県北の教会へと続く旅路にこの本を携えて汽車を、バスを乗り継いだ。彼の作詞した曲をいくつも聴きながら。流れる景色に言葉とメロディが耳と目に優しかった。恋煩いを限りなく正しくしていることを自覚した。
好きよ、は一番好きな言葉です。そう書かれていた。とってもときめいた。あたしだってなんどもすき、と伝えたでしょう。だのになんだか流れて行くみたい、いつも。歌詞って、歌って、とってもずるい!だって恥ずかしくないんだもの、きちんと染み込むかんじがするでしょ。松本隆さんみたいなことばをもって好きを伝えられたらいい、好きって言葉を使わずとも。装丁の緑がかったブルーが美しい。図書館で借りたけれど、購入したいと思っている。あの日sweet memoriesをあなたと唄ったね、甘い記憶ってほんとうにあるんだとわかったの。過ぎ去った過去、しゃくだけど 今より眩しい、ってあたしもそう思う。君は天然色の妹さんのエピソードを、大滝詠一に伝えることもなく彼が亡くなってしまったこと、初めて知った。大滝詠一がこの世に居ないことが本当に悲しい。あまめく歌声をもっているひと、あたしの恋を深くしたひと。美しい仕事をするひとが好きです。随分と堕落したわたしの生活も(どこでまちがえたのか?)と呟くはっぴいえんどの春よ来いを聴きながら愛していきましょうね、言葉を育てて伝えたいひとがいることを忘れちゃいけない
- 感想投稿日 : 2023年5月27日
- 読了日 : 2023年5月25日
- 本棚登録日 : 2023年5月27日
みんなの感想をみる