“性”は人に一生つきまとう問題だと思う。人生のどこかで早いにしろ遅いにしろ一度は深く掘り下げて考えるもの。日常的に性を無視して生きていくことは不可能だから。
「悲しい」という言葉がたくさん出てくる。悲しい人がたくさん出てくる。悪役の栃憲は自分が悲しい人だと意識していない。がしかし、性によって利益を得て性に翻弄される人をこばかにするような人、こんなに悲しい人なんていないだろう。
主人公はずっと冴えないままで汚く遣る瀬無い思いを抱えて性と対峙していくのを予感させて物語は終末を迎える。
(20110317)
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- 感想投稿日 : 2011年3月17日
- 読了日 : 2011年3月17日
- 本棚登録日 : 2011年3月15日
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