千里眼新シリーズ第2弾。
相変わらずの美由紀のスーパーウーマンぶりはスゴイが、北欧系ロックバンドのファンでコンサートのチケットを取るためにハガキをたくさん書いて出したり、元の職場の仕事を避けたいがために、ロシア大使館からの依頼を受けてチェチェンに向かおうとしたりと、これまで以上に人間味のある、女性らしい側面が描かれていて、岬美由紀という人物像がより奥深く感じられる。
ストーリー的にはやや突拍子もなく、いきなりゲームの世界のような場所に迷い込んだり、後ろの空間の光を極細のファイバーのようなもので透過させるものが出てきたりと、やや現実離れしているように感じた。とはいえ、そもそも、幹部自衛官から臨床心理士になった主人公という時点で、かなり突拍子もないのだが。
ラスト付近では美由紀がかなりとんでもない行動に出るのだが、それは一体どこからどうやって持ち出したのか、一部始終を見ていた海の家の人たちは取り押さえようとしなかったのか、など、ツッコミどころもそこかしこに用意されているとはいえ、そこは松岡圭祐の作品だけに、テンポも良く、いろんな展開があって飽きさせず、しかも面白い。
他の作品にも共通して言えることだが、この作者はどうしてこんなハイペースで、こんなクオリティの作品を書き続けられるのか、不思議で仕方が無い。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2014年1月8日
- 読了日 : 2014年1月6日
- 本棚登録日 : 2014年1月8日
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