企業価値経営

  • ダイヤモンド社 (2012年8月31日発売)
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この本を読む前と後で、企業の見方が変わる。

クロスボーダーのM&Aつまり海外企業の買収において、米国企業による買収は25%のプレミアムに対し、日本企業がやると32%のプレミアム。プレミアムと言っても良い話ではない。たんに、日本企業は企業価値を精査できておらず、払い過ぎになっているという事だ。また、ROICについての日米比較は、2010年アメリカが19%だったのに対し日本は7%しかない。

企業にも成績がある。
しかし、偶々100点を取った学生と、95点を継続的に取れる学生、50点から10点ずつ点数を上げる学生、理数系のみ高得点の学生など、単発のテスト結果で判断するのではなく、成長性、吸収能力、格差能力を時系列で判断するのだ。

企業価値は、高い売上高成長率、高い投下資産利益率(ROIC)、もしくはこの組み合わせによる大きなキャッシュフローを生み出す時。そして経営者の素質に左右される。投資家も性質が異なり、株式市場を先導していくのは、指標だけではなく、よく企業を見ている良質な先生のような株主だ。

立ち止まり、ページを戻り、新たな用語を繰り返す事で理解し、脳が変容する。文字追う速度が定速にならない読書とは教科書や参考書を読み解く場合に多い。本著はまさに教科書。少し古いが、内容は、まだ新しい。企業人は早めに読んでおいた方が良い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年4月3日
読了日 : 2023年4月3日
本棚登録日 : 2023年4月2日

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