ー少にして学べば、壮にして成すあり。壮にして学べば、老いて衰えず。老いて学べば、死して朽ちず。
吉田松陰の師匠である佐久間象山、そのさらに師匠である佐藤一斎。西郷隆盛も座右の書とした『言志四録』。
誤解されそうな言い方だが、しかし、ただの江戸時代の自己啓発本であった。これを身につけるには、文章を頭に入れるだけではなく、人生観、立ち振る舞い、反射神経、脊髄にまで染み込ませねばならず、経験と読書を照合するような代謝を経て、漸く意味を持つのだろう。
誰がいつ言ったか、が極めて重要。言葉だけなら、現代にも溢れている。
同じ美辞麗句、死に際に祖父の言う「正しく生きよ」と、守銭奴の自己啓発ビジネスで発せられる「正しく生きよ」は、テキスト以上の周辺情報が異なるから、全く価値が違うのだ。
受け手の心理状態、人生の段階によっても異なる。
心に響く言葉は、タイミングにより、咀嚼度合いが異なって代謝される。
今の私には「志を立てて成功するには恥をかくことが肝心である」「事上磨練ー日常の仕事の中で自分を錬磨しろ」が響いた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年6月18日
- 読了日 : 2023年6月18日
- 本棚登録日 : 2023年6月17日
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