漱石を売る (文春文庫 て 5-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (1995年9月1日発売)
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感想 : 3
4

筆者の言葉を拝借すると、

文章の好き嫌いは、理屈じゃない。
肌に合うか、合わないかである。

まさしく本書は私の肌に合う。文章構成も気持ちよく唸らせてしまい、自虐にも通じる謙虚な姿勢はいつの間にか彼の目線の先を追うことに興じてしまう。生活の一コマに、妬みや怒りといった社会風刺よりも人との繋がりの大切さを物語る。これも社会の根幹を成す情景の魅力である。触れ合うことに躊躇うべからず、言葉のリズムを心で感じていつしか踊り出す。そのステップが世界を巡っているのだ。実に楽しい読後感。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2024年4月8日
読了日 : 2024年4月8日
本棚登録日 : 2024年4月8日

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