Art 1 誰も知らない「名画の見方」 (小学館101ビジュアル新書)

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  • 小学館 (2010年10月1日発売)
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感想 : 75

①最もらしく見せる工夫

フェルメール「真珠の耳飾りの少女」、目に白いハイライトで生命感を増す→今でも代表的なイラスト技法。
→こちらが見られていると錯覚する。こちらの世界と繋ぐ

こちらを見ている目を描いている

ヤンファンエイク「ファンデルパーレの聖母子」瞳に窓の反射を書き込む。

「ロランの聖母子」→画面奥に窓の外を見る子供たち。鑑賞者の視線も、奥の風景へと誘導されていく仕組み

メインとは別に、サブに仕掛け。

「アルノルフィーニ夫婦の肖像」中央の丸鏡に、来訪者が写っている。

床を下に向けて広げる→現実世界との接続のため

ベラスケス→背景を使わずに、わずかな影で奥行きを表現。

細部は意外と適当。描写ではなく、印象で描いている。なのにリアル。

②時代の流れと向き合う

ゴヤ、フランス革命の動乱の最中、パトロンを変えつつ活動。我が子を食らうサトゥルヌス

ミレー、待つ人や落ち穂拾いなど。農民画家。宗教画、歴史画に比べて低く見られた。斬新な題材

ボスの快楽の園。腐敗したキリスト教批判。

③代表作の舞台裏

ピカソ「絵画は私よりも強い、絵画はいつも自分を引き回して好きなようにさせる」
→人が作品の奴隷になっている

ゴーガン「我々はどこから来たのか…」

イブ主題。西洋文明のタブーである母親情景。生命讃歌。生命の象徴と結び付けられる。

ボッティチェリ「モーセの試練」

一つの画面に複数人登場。異時同図法。

④見えないものを描く

レオナルド「自然は絶えず変化する。美は変化の中にある」
→輪郭線を描かない手法。『スフマート』物体に明確な境界はない。

クライアントから評価が非常に高いルーベンス

『キリスト降架』など。

工房を運営、弟子と分業体制。

依頼を受ける→下絵(つまりはラフ)を描く→工房に回して完成。修正も加える。

ドガ、ドラマティックな一瞬を、計算尽くで演出する。

ルノワール、色白でふくよかな女性から好み? 屋外での肖像画。繊細で美しい、明るい主題。黒を効果的に用いる。元々陶磁器への絵付け職人。産業革命で失業。

ムンクは画家の名前。
ムンクの「叫び」である。

汝、自らの人生を語れ「クリスティアニア・ボヘーム」という前衛的な芸術団体に所属。

ミレイ(オフィーリア)

王立アカデミーに反抗→結局会長になる

敵対勢力の重要人物にあえて権威を与え、仲間に引き入れ、相手方の崩壊を招く。

⑦受け継がれるイメージ

ミレーの庶民絵画『昼寝』とか。好き。

ウルヴィーノのヴィーナス。リアルな女体画。)

⑧新しい時代を描き出す

モリゾ。女性をテーマにした女性画家。女は画家になれないという社会的制約。

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感想投稿日 : 2023年7月3日
本棚登録日 : 2023年6月5日

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