会社を辞めて半世紀ぶりに別れた父親に会いにきた理一は父を慕う毛糸工場の息子、真尋と出会い…。
シャツの縫製工場と毛糸工場、町工場を舞台のほんわか可愛らしい歳の差ラブ。
ううーん、良くも悪くもいつもの一穂さんのディアプラの小説だなぁという感じ。ぐっさり突き刺さる勢いで好きな作品に比べるとやや印象は控えめ。
奔放な理一母とそんな母に恨み言を言わない大らかで優しい理一父。家族関係、母という存在の描き方が一穂さんだなぁ。
千鶴のキャラクターがとても生き生きしています。太一の愛くるしさにはほんわか。
モチーフづかいがすんなりやわらかに縦糸として編まれているあたりは心地よいですね。
仕事を通して働くこと、周囲の人間との関係を積み重ねていくこと、家族との絆のあり方を見つめ直していくこと--いいお話で、毛糸のようにふわふわやわらかで愛くるしい真尋は魅力的だけれどラブ要素にあまりしっくりこなくて「くっついちゃうのか…そしてあたりまえのごとく割とためらいなくセックスするんだ…」と思いました。BLだからな、ってわかっててもやっぱりどこかしら違和感はあるかな。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
BL
- 感想投稿日 : 2017年7月6日
- 読了日 : 2017年7月6日
- 本棚登録日 : 2017年7月6日
みんなの感想をみる