英国王のスピーチ コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]
- Happinet(SB)(D) (2012年3月10日発売)
あなたは誰より忍耐強く、勇敢、というライオネルの言葉に自分が言われているような気分になる。吃音ではないがジョージ王の気持ちがよくわかる。ラストのバッキンガム宮殿にうっとり。コリン・ファースにも。
驚くべきはエンドタイトルのキャスト紹介。役柄主体ではなく王族を最初に列挙している(ジョージ6世の次がエリザベス女王なのだ。役として重大なライオネルではなく王族を尊重)。さっすが英国!
やっぱりアカデミー賞授賞式は毎年録画するべきだったなあ。あの、一人として同じものがない、こちらの胸を打つコメントの数々はすごいよね。
(2011.8.19)
名場面のみ久々に観た。選曲がまたベートーベンの交響曲第7番、ピアノ協奏曲「皇帝」、モーツァルト クラリネット協奏曲ときた。ジョージ6世は吃音のハンディがあったからこそ、より人生を豊かに味わうことができた。素晴らしい奥様(王妃)、娘たち(マーガレット女王とアン王女)、最高の友人ライオネル。こんな人たちに囲まれたら苦労なしの人生よりずっと素敵。
この映画、私にとっては場面緘黙症だった頃を思い出し、場面場面でジョージ6世に乗り移れそうなほどリアル。しかし人の苦労は様々で、吃音症じゃなくても「自分の人生と重なった」という感想が世界中から寄せられていることを考えると、世の中捨てたものじゃないなと思う。愛しくて、さめざめと泣いてしまう映画だ。
それから人間関係のバランスについてもふと思う。それぞれデリケートで優しい人々であるが、繊細でときにかんしゃくを起こすジョージ6世を見守る人々は皆明るく優しく安定している。王と同じ性質だと相性が悪いということだ。王にとって王妃やライオネルは必要不可欠な存在だが、王妃やライオネルにとってもまた国民にとってもジョージ6世は勇気を与えてくれる必要不可欠な愛すべき王様だった。
自分に与えられた使命について思いめぐらし、一歩前進のための多大な勇気を与えてくれる映画。
(2013.5.20)
- 感想投稿日 : 2021年2月28日
- 読了日 : 2013年5月20日
- 本棚登録日 : 2013年5月20日
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