MASTERキートン DISCOVERY2 (ビッグコミックス)

著者 :
  • 小学館 (1989年5月1日発売)
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本棚登録 : 762
感想 : 20

キートンが信じる学説は、ドナウ川周辺に
ヨーロッパ最古の文明があったというもの。
だから物語の舞台は日本とヨーロッパが多い。
日本はヨーロッパと比べ、
歴史の古さは遜色ないと思う。
ただ歴史の複雑さという点でいうと、
ヨーロッパにはかないっこないなと思う。

古き時代から現代に至るまで、
様々な民族・政治ポリシー・国家が入り混じり、
紆余曲折の中で勃興と滅亡を繰り返し、
一筋縄ではいかない模様を醸し出している。
歴史や国家という大きな視点から見ると、
それは壮大なスケールでロマンを感じさせる。
また滅亡していった国々には、
時の流れの中で必然や致し方無いと思いもする。

けれど、そうした歴史のひとつひとつには人がいる。
当事者にとっては人生は一度きりで、
命は失われれば取り戻すことはできない。
歴史のロマンや必然といった言葉で、
済ますことはできない。
歴史にとっては小さな傷跡であっても、
一人一人の人間には大きな影響を与える。
その時だけでなく、その後の地まで禍根を残す。

直面する案件のハラハラと歴史の重みの面白さ。
やっぱりキートン!

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感想投稿日 : 2021年11月21日
本棚登録日 : 2021年11月21日

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