この国を造ってきたのは、
その時々の為政者たちだろう。
彼ら彼女たちが目指したものが、
僕らが知らぬうちに、
あるいは誰もが知る通り、
この国のあちらこちらに反映されている。
富を蓄え、力を持ち、人々を従え、
溢れんばかりのものを得て、
おそらく権力の座に座る。
原始に遡るほど、その傾向が強いのではないか。
ひょっとしたら現代においても。
そうした人たちにとって、
権力は守るものであり、
時代は維持するものかもしれない。
もちろん世が良くなることを望んではいるだろう。
一方で心のどこか、
世の中の理屈が変わらないことを
願う部分もあるのではないか。
時代の流れをせき止めてしまう
ボトルネックになる、
そうした一面もあるだろう。
軽やかに世の中を変えるのは、
守るものを持たない者だ。
自由を縛る「作られた常識」に
囚われることなく、
心の声にまっすぐ向き合って
目の前の喜びに誠実に生きる。
彼らの行動は大きな影響力を持つわけではない。
半径5メートルのささやかなものに過ぎない。
そうした小さな行動が、世界を壊していく。
風穴を空け、蟻の穴を空け、
ある日、ぽっかり大穴となる。
佳代の生き方は、いろいろ考えさせられる。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2022年9月14日
- 本棚登録日 : 2022年9月14日
みんなの感想をみる