マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ

著者 :
  • 日本実業出版社 (2023年2月17日発売)
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感想 : 29
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めちゃくちゃ良かった。

マーケティング初心者向けとなるが、マーケティングの定義はもちろん、著者のだけど、それらの論拠や考え方がめちゃくちゃ参考になる。

何度も書かれているが、簡単にいえば、
お客様にとっての便益と独自性を提供する(これが商品やサービス)で、お客様がそれを価値として受け取ってくれるか。そこを継続的にやり続ける、試行錯誤する。一人のお客様を見るということでやっていくと。

そういう意味で、HOW、つまり何で売るか、ECとかSNSとか、リアルとか、PRとか、広告とか、それらの手段は枝葉でしかない。そう枝葉なのだと。

そういう枝葉に振り回されるのがまさにマーケティングの樹海と表現していて言い得て妙。HOWを考えるのを否定するわけでもなく手段としては当然用いる。しかしそれは、顧客に最適なものがLINEならLINEであっただけで結果論や個別解となる。だからLINEが良い手段で、ラジオがダメな手段とかではない。お客さんにとってどうかというだけとなる。

これが顧客視点、顧客思考といってもいい。ただそれが出来るのは、顧客に降りていって、とくに自分が対象顧客ではない(例えば男性なら女性向け商品などわかりやすいだろう)を想像できるかとなる。当然何もなければできないのでヒアリングする、そのお客さんがどうしたら喜んでくれるかを考える。

そうやって考えていくと、とてもシンプルになる。
つまり、お客さんにとっての価値を押し付けでなく(押し付けているケースも多々あるし、やりがち)、その価値を常にアップデートして提供していくこと。これが価値創造であり、マーケティングといっていい。

ざっとそんな感じで、これらをマーケティング初心者や経験が浅い人が理解出来るとは思えないので、読み手で初学者であればおそらく他の本より本質的であると思えるし、HOWを知りたい人には物足りなくなる。

だが、多少経験のある自分にとっては、多分この本は本質的で、詰めていくと商売ってこういうことだよなと心から共感できた。
他にもいくつかアイデアや気づきを得たので、これはマーケティングって何かという人もそうだし、自分の顧客にもそうだし、色々な人に進めて土台としてくれるととても嬉しいと感じた。

読んだ人はぜひ理解した範囲で、価値創造であったり、HOWでなく顧客の視点で考えること、それらを何度も試してみて、なかなかうまくいかない(当然それが当たり前)ことを理解しつつその上で、お客さんにとっての価値を生み出すことをチャレンジして欲しいと心から思ったし、自分もそうやっていきたいと心から思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年8月14日
読了日 : 2023年8月14日
本棚登録日 : 2023年8月14日

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