ページ数が少なく、行間や余白も多く取られており、
あっさり読むことが出来るかな・・・と
手に取ったのに、意外とページが進まなかった。
独特の文体で、流れるような展開にはならない。
必要以上の描写をせずに、ぐいぐいと読者を
引っ張りながら進むようなそんなお話。
肉体を鍛え上げた、ラグビー部の大学4年生、
就活(公務員試験)と並行して、出身高校の後輩指導、
恋愛模様など、リアルな大学生。
不器用なのか、器用なのか、
優秀なのか、ある意味ラグビーバカ?とも言うのか、
計算高いのか・・・つかみどころのない主人公の彼、
題名の「破局」はどこから来るのか、と思ったが、
それは麻衣子との別れであったり、
灯との別れであったり、
高校のラグビー顧問、佐々木との距離感や
指導する後輩との世代間のギャップだったり、
終わりを迎える学生生活だったり、
多くのことをはらんでいるように思う。
後半、灯と旅行に出かけるあたりから、
ぐっと読みやすくなる。(私が慣れてきただけなのか)
ラストが気になり、このあたりから一気読み。
まさか、灯に別れを告げられるとは思わなかった。
スポーツウェアを来た男も、通りすがりの人で、
灯とは無関係なのかもしれない。
それでも、彼は、全てを失った。破局・・・
ここで終わりだった。
暴力的な文体もある意味、こちらも癖になる。
ほかの話も読んでみたい。
昔、金原ひとみさんを初めて読んだ時にも感じた。
無駄なものがない研ぎ澄まされた感じ、
きっとこれから、良い作品、たくさん書くんじゃないかな。
- 感想投稿日 : 2023年11月26日
- 読了日 : 2023年11月24日
- 本棚登録日 : 2023年11月19日
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