だんだんハードになってきた。
この話は主人公の成長というテーマを軸に、精霊の正体・陰謀という謎が入っている。
そこに噛むのが、一巻からずっとあざとく出ている「魔法使いの狂気」だ。
魔法の源である精霊は人間につく。そして魔法の原動力となるのだが、彼らは人間のネガティブな感情を嫌い、それが度を越えると去ってしまう。しかしながら、精霊は人間の狂気は理解しない。それはマイナスな感情であるとは思わないのだ。
狂気に陥った魔法使いは精霊を統制しなくなる。狂った魔法使いについた精霊は契約者を持たないフリーの精霊を呼び込んで大災害を起こす。
この世界では魔法使いは狂気に陥りやすい、と言われる。
樓主はこの巻を読んで、その理屈がわかった。
精霊を失いかねないマイナス感情を持った人間には、もう精霊しか残ってないわけだ。他にも大事なものが残っていれば、なんとかしてプラス変換させるように、魔法学校で仕込まれているわけだから。
で、唯一の精霊が去ろうとする。
でも精霊はそんな彼や彼女に言う。
「嫌なことは忘れちゃえば」
もはや唯一のものである、精霊をなくしたくない魔法使いは頷く。
そして、記憶を全部なくした魔法使いは、統制だの倫理だの、一切なくすから。
「狂う」わけだ。
いやはや。
魔法使いが狂いやすいのは、当たり前だ。
精霊がマイナス感情を嫌って去るという、このシステム構造事態が、狂気の大元なわけだよ。一度去ったらどうやら戻ってきてくれないようだし。
三巻の展開が楽しみだ。
(一方的に謎解きして終る。これから読む人ごめんね♪)
- 感想投稿日 : 2008年8月26日
- 読了日 : 2008年8月26日
- 本棚登録日 : 2008年8月26日
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