2011年刊。
2010年に世界的に暴露された米国の外交公電。この内部告発サイト「ウィキリークス」が生み出された過程を、主宰アサンジの人物評伝を交え解説する。
本書の見出しに「それは歴史家の夢であり、外交官の悪夢である」との項目があるが、ウィキリークスを体現するものとしては、この言葉が全てを物語っているよう。
一方、アサンジにつき、その物事にのめりこみがちな特異なキャラクターとは別に、ウィキリークスに関しても、決して正義感に突き動かされただけではない。本書からは、誰と組んで、どう公開すれば利益が得られるか。この経済的な利得の面を入念に、慎重に測ってきたという印象が残る。
時系列で叙述されていることに加え、内容が評伝なので、暴露された文書・公電の内容分析はそれほど精緻ではないし、整理されているわけではない。全く書いていないわけではないが、この点は他の本を当たった方が良いのかもしれない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2017年1月3日
- 読了日 : 2017年1月3日
- 本棚登録日 : 2017年1月3日
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